ラップ流行ってっけど、結局「韻」ってなんなん? って思ったので分類してみた
こんにちは、名前氏です。
みなさん、ラップって聴きます?
僕は聴きます。(このへんカリスマブロガーARuFaさんのサンプリング)
↑ ここ数年のラップブームの火付け役二大巨頭ォ
まぁ今流行ってんのは即興でビートに乗って相手を罵倒する「フリースタイル」って形式で、いわゆるギャングだぜオラオラ! ナードなんかに交わらねぇBADHOP! みたいなラップらしいイメージが強いところですね。いったい誰-pablowなんだ……
これはあるあるなんですけど、
僕みたいなオタクにはちょっと「怖さ」が勝ってしまう。
ダンジョンも序盤は見てましたけどね。
3on3があんまりハマらなくて見るのやめちゃった ???「3on3 馴れ合いだから出なかった」
高校生ラップ選手権も第8回以降は毎回見てますけどね。
烈固すごいよね すき
しかし、オタクもラップの音楽性を楽しむことは可能なはず。ヒップホップの怖さから分離した「ラップ」のスキルだけを追求してきたのがネットラップで、僕はいまこのシーンの虜なわけです。
ニコニコ全盛期には「ill.bell」「タイツォン」「はしやん」などを筆頭に、ニコラップが流行した時期もあったことが、オタクもラップを楽しめる証左でしょう。アリレムとかタイツォンとかまだ動画上げてるんだけど伸びてないんですよね。ショッギョムッジョ。
ラップを楽しむときに、サングラスもダボダボのTシャツもガンジャも必要ありません。必要なのは楽しもうという気持ちつまりプロップスだけなのです!
俺はオタクにもラップを楽しんでもらいてぇ!(ここパンチライン)
というわけで、数あるラップスキルの中から韻について分類、紹介していきたいと思います。
◇◆◇◆◇
①脚韻
3:34~
「志望校B判定
皆でどうこう言い合って
「全部理想通り」なんて
最初からここにあって」
最も一般的にイメージされる韻のスタイル。基本中の基本。
小節、フレーズのラストで母音を重ねるものです。シンプルなのでアレンジもしやすいですが、他の部分で楽しませないと単調になる可能性があるのが難点です。
他の部分の完成度や、あるいは例えば長く踏むなどの工夫によって光る韻の踏み方です。
②頭韻
Vulcanさんのverse2より引用(1:14~)
「格式張ること無くいきがるこの
サブリミナル効果巧みに出すから
まず気になるあの明日に光るもの
託し担う結果博打に勝つ
ある意味カスなら作詞にラップやら
やるし磨く腕休み知らずほら
軽い自虐すら吐くシニカルタイプ
隠し嫌う過去白紙になる
脚韻とは反対に、小節やフレーズの最初で韻を踏む踏み方です。
仕組みは脚韻と同じなのですが、脚韻をぴったり合わせると「韻」の状態でフレーズが終わり気持ちよさが残るのに対してこちらは韻の余韻がフレーズの後半に上書きされてしまうため運用が難しく、あまり使われない踏み方です。
ちなみに引用したこのバースは、後述の「畳み掛け」「踏み抜き」も併用していると言えるでしょう。
③子音踏み
妖狐さんのverseより引用(1:04~)
「掴み取るチャンス見逃すな退け
そのチャンスの隠れ蓑が砂時計」
韻とは基本的に母音を合わせるものなのですが、子音まで合わせて、この場合は「みのがすなどけ」を丸っと同じ音にしてしまったという踏み方。基本的に母音だけを合わせるより圧倒的に難しいため、韻のスキルをかなり必要とします。引用した妖狐さんを含め、これを綺麗に決められるラッパーはだいたいリスナーから高く評価されます。
③Ⅱ 子音のみ踏み
これはちょっと引用が難しいですが、全体として。
同じ子音の音を軸にして文章を展開させていくという、かなり特殊な踏み方です。
これを得意とする方は引用元の間開さん、クルー「勇魚。」の相方である冬さんなどがいますが非常に少ないです。
似たような音の言葉を組み立てることによって音としての心地よさを高めることができるといえるでしょう。
④全踏み
ラップするマンさんのverseから引用(1:34~)
「スレスレな放送禁止用語もご愛敬
腕組めば堂々吟じようとこの態度」
母音だけ抜き出すと両方「ウエウエアオーオーインイオーオオオアイオ」になっていて、フレーズでまるごと韻が踏めています。必然的に韻の長さは十文字を越えてきます。(今回は20文字)
Trapなどの韻が音楽としての音の気持ちよさというアプローチなのに対して、こっちは言葉遊びの側面が強いですね。だいたい一小節をひと固まりにして踏むことが多いです。
⑤踏み抜き
FUNKY髭HANKさんのverseから引用(2:20~)
「朝っぱらから真っ赤っかな輪が、カッカッ。 やだなー。はあ...シャワーがあったならな。 バカ!バカ!マザファカサマー、墓!墓!サマーは墓場! ダラダラやだやだカラカラやだやだ カサカサな肌また河童が皿割っちゃった。 真っ裸だったらまだ…わー!甘かった! 馬鹿だわ。ヤバサがわからなかった。ラーはやっぱやばかった。 あからさまな罠はまっちゃった様は「はかったなシャア!」 あー。若さかー。やっぱ。 生温かさやたら悪化、あらやだわー! 頭がパア、なっちゃった。だから、わたしゃ 「あかさたなはまやらわ」からまた学ばなきゃな。」
初めて聞いたときのぼく「は???」
つまり、1verseぶん、16小節「ア段」の音だけで構成したということです。前述の全踏みとの合わせ技とも言えますね。
このFUNKY髭HANKさんって人はこういう突飛なことをする人なんですけど、そうでなくても、16小節くらいなら最初から最後まで同じ脚韻で通すことはちょくちょくあります。
⑥畳み掛け
1:04~
「音と言葉とヴァイブスが織り成す
三点構造 参戦登場 おませ少女の 慢性症状
がってん承知よ 待てども 待てども どっかの誰かの
真似事 発展途上 幹線道路 まで飛ぼう
断然向上 荒れ模様 罵声上等 感染衝動
抑えられん回せ回せ」
ここでは「アエオオ」の韻を次々と繰り出しています。リズムを作りつつ、しっかりと韻の力も見せつけることができます。
ただこれはある程度使い方に注意が必要なものでもあるような気がします。フロウとリズムの部分でしっかり決めないとリリックとしてふわふわしてしまいます。
◇◆◇◆◇
……と、ここまでいろいろ紹介してきました。細かい技術がまだまだめっちゃあります。でもまあ基本的にはこんなもんかな。ちなみにぼくはクソ長韻と子音踏みがすきです。
こういうのをいろいろ組み合わせて、韻以外の言葉遊び、音としての強弱や高低、メロディ、詩としての強さなどをいろいろ詰め込んでラップはできています。
韻だけがラップではない。僕は韻踏むラッパーばっか聴いてますけど
ネットラップからいろんな作品を布教する意味も込めていましたがいったいどれくらいの効果があるのやら。そもそも今時のオタクってニコ動のアカウント持ってるものなんですかね。
また追記するかもしれませんが、今日は此処まで。みんなネットラップ聴いてヴァイブスぶち上げてくれよな!